岳飛伝 五、凱歌篇 / 編訳 田中芳樹

岳飛伝 5 凱歌編


無実の罪で処刑された岳飛。その後、体制が変わり彼を陥れた奸臣達が処刑され名誉回復。息子の岳雷が後を継いで元帥となり、再び攻めて来た敵軍に立ち向かうという、ホント蛇足な最終巻。
名誉回復の理由も、別に残された者達が奸臣の野望を打ち砕いたって訳じゃなく、たまたま皇帝が病に倒れて、代理の皇太子が名君でさくっと解決してくれたという、なんだか御都合主義の集大成みたいな。それまでじっとしてただけって。


息子は特に優秀という訳ではなく、ただそこに居るだけ。部下達メイン。
無数のドラゴンを召喚して兵士を焼き尽くしたり、岳飛の娘が男装して参戦していた為、敵の妖女に美男子と勘違いされ、誘拐されて結婚を迫られたりと、急に作者が変わったんじゃないかと思える展開を見せた後、我らが牛皐将軍が敵総大将を怒り死にさせ、その姿を見て笑い死ぬ自爆技を見せ大団円。
他にも、岳飛を殺した奸臣の処刑方法が、一口ずつ口で噛み千切るだったり、凄いや。


そういえばこの作品、日本でいうと源氏と平氏しか居なかった時代になるのですが、そんな頃に、既にスール制度があったってのに驚きですお姉さま。