夢幻紳士 幻想篇 / 高橋葉介


「僕の頭の中には何時の間にか電波の受信機が埋められていて」


冒険活劇編、マンガ少年編、怪奇編、夢幻外伝、帝都物語編、学校怪談編(帝都と学校怪談は、ホントは別種なんだけど)と20年も続いてきたシリーズ最新版。
夢幻外伝の連作ノリをベースに、これまでとは一風変わった仕掛けの全12話。
改めて、夢幻魔実也はダークヒーローとして理想の一つだと認識。
絵柄が少し妙で、始めの内は夢幻外伝の頃の作風。途中からそれ以前の作風に変わり、徐々に両者が交わるような絵柄に変化していったのが不思議な気分。
渚にて」の最後のコマが大好き。


現在、早川書房のミステリマガジンで「夢幻紳士 逢魔篇」が連載中の模様。また1年待たないと単行本は出ないだろうが、連続で読めるのは嬉しい限り。
しかし早川産の漫画なんて余程大きな書店じゃないと手に入らないだろう。不便。あと装丁の割にちと高め。