灰色のダイエットコカコーラ / 佐藤友哉

灰色のダイエットコカコーラ


カバーが透明なビニールだかセロファンだかなお陰で、本の角とカバーの折り目による固定が弱く、読んでる最中につるっと滑ってカバーが外れ、まるで本が爆発したかのような錯覚に陥る怒りが何度か。その怒りはまさに栞を抜くという悪戯をされたときと同様のそれ。
お洒落なのかどうか知らんが、もうちょっと読む人のことを考えて装丁しようよ。
カバー袖が妙に短くて、これまた勢い良く弾ける本ってのもあるよね。
外してから読めよってのは無しで。失くすから。うっかり踏んでぼろぼろになるから。他の本に潰されて折り目じゃない部分まで折り目になるから。
とまあ、そんなしょーもないことが気になったのも、面白くて集中して読んでた所為。
真剣に読んでるときに本閉じられてみれば。


子供から大人になるお話。
自分だけが優れていると感じ、周りの他者を見下す思春期特有の感覚とか、だからといって他人と違うことをしようとすると、今度はその他者の目が気になる感覚とか。
この作者の作品は毎回、読み始めてすぐに、読み終わってからも延々と、もやもやと嫌な感覚が気持ち良く心に残るので大好き。