インド神話 マハーバーラタの神々 / 上村勝彦

インド神話―マハーバーラタの神々


あんまりこういう本読まない所為もあって、面白かったー。


題名通り、インド神話を紹介する本。
シンプルではあるものの、一応学術書の類なので、淡々と直訳っぽく訳されてるだけで話が分かり難い。これを脳内で意訳すると、なんだか楽しい御伽噺。山をマドラー代わりに、それに大蛇を綱にして、よいしょよいしょと海をかき混ぜるなんて、グレートだ。
元々は、ちょっと壊れた詩人がトリップ中に口から発した言葉を、他の人が書きとめたものらしいが、こういう話ってそうでもないと思い付かないよなあとか。いや、誰かに作られたものじゃなく「永遠の過去から存在している」って設定らしいけど。
出典は記されているが、何年頃に書かれたものかは記されていない。なので話の変化的に恐らくって話だが、原典ではただの吹っ飛んだ話なのに、年を経て色んな設定が増えてくると、宗教家にとっての都合の良い話に変化してくのが面白い。第三者の視点から見るとそれは変だろって話も、宗教となると。


とりあえず、インドの「悪魔」は正々堂々と戦いを挑んで神々に勝ち、休戦条約を結んでも神々にその条約の揚げ足を取られ、完全に屁理屈で撃退される、不遇の種族だと分かった。どっちが悪魔だ。