変態村

変態村


原題「Calvaire」
英題だと「The Ordeal」
ちゅわけで、日本語にするなら「殉教」や「試練」(web翻訳)な感じで、それを「変態村」とはこれいかに?
と思うところだが、それはそれで合ってるような、変態ってよりは「狂人村」にした方が正しいようなベルギー映画
こんな阿呆な邦題なんだから、きっと阿呆な中身に違いないと、駄目さを楽しむ作品だと期待して観たのだが、いやこれが普通に面白い作品で、一方でガッカリすると共に満足も。棚ボタというべきか、ウンコ食おうとしたらボタ餅だった、の方が正しいのか。


おばちゃん連中にモテモテなドサ回りの男性歌手が、次の町に向かう途中の山奥で車が壊れて立往生。近くの、客が1人も居ないようなペンションに避難。ところがここのおっさんオーナーが、親切な振りして実は壊れてて、歌手を逃げた女房が戻ってきたと認識して監禁。女物の服を着せられ、俺の体が恋しかったのかとカマ掘られたり、逃げようとしても捕まって磔にされて腕に釘打たれたりしちゃう、愛に溢れた物語。
なにもかもが静かに狂ってる感覚で楽しい。


DVDのオマケで入ってる、「ワンダフル・ラヴ」という短編映画がこれまた面白い。
行き遅れのおばちゃんがホストを雇い自分の誕生日をお祝い。その際うっかりホストの喉をフォークで刺しちゃって動揺するも、これ幸いと、わたしを抱いてとフォークが喉に刺さったまま痙攣してるホストと同衾。その後もどんどん腐ってくホストと仲良く、牛タンを丸ごと食べてみたり、ハードコアなポルノをうっとりしながら観てみたりするお話。
死体だからリアクションも特に無く、そんなホストの姿を見たおばちゃんが、行き付けの肉屋に「彼ったら本気じゃないみたいなの」と悩みを相談する辺りが素敵。
日本版なのにポルノに一切修正が掛かっておらず、なんだか色々丸見え汁塗れだったのは良いんだろうか。