ロコ! 思うままに / 大槻ケンヂ
近頃、フォントサイズを大きくしたり、簡単な漢字でも平仮名にしたりして、ページ数を稼ぐ本が増えたとは思いませんか。
この本はそこまであくどい事はしてないんですが、改行がちょっと早いよ。凄い下の方白いよ。昨年末出た「ゴスロリ幻想劇場」は上の方が白いよ。
どんとこいが流行なのだろうか。
中島らもに捧ぐ短編集。
最近のオーケンは音楽よりも小説の方が鬼気迫ってる気がする。
以下1作ずつ感想。
- ロコ! 思うままに
壊れた父親に監禁されて外の世界を知らない少年が少女に出会う話。
「思うままに」という言葉が重く感じるようになる。
- モモの愛が綿いっぱい
妻と子を失った男と綿状生命体の交流話。
バカで泣ける。
ブースカ抱いてニコニコしてるオーケンしか思い浮かばないんだもの。
- ドクター・マーチン・レッド・ブーツ
「リンダリンダラバーソウル」や「ロッキンホース・バレリーナ」系統の青春ロック話の怪奇版。
グルーピーの女の子の口に指を突っ込み無理矢理喋らせる姿が、実に良いのです。
- 怪人明智文代
以前教育テレビで放送された乱歩特集の時に、乱歩の土蔵から、明智小五郎の妻から乱歩に宛てた手紙を見付けた、という話。
まさにあの番組で妄想を振り撒いていた話そのまんま。
- キテーちゃん
青春少女小説。
なんとも云えない不快感が漂ってて好き。
- ステーシー異聞 ゾンビ・リバー
「ステーシー」って原作に忠実に映画化すれば、そこら辺のゾンビ物より遥かに面白いゾンビ映画になると思うんだけどなあ。ゾンビは全部思春期の少女。ニアデスハピネスでいつもニコニコ。ギャグボールを噛ませれば噛まれなくて安全。鳴き声は「あ゛〜」じゃなくて「げげげおおおううう」「うぼぼぼぼーっ」
以前映像化された作品はかなりアレな代物らしいですね。いつか観ないと。
ステーシーの数が爆発的に増えた理由なのではないか?とされる外伝。
再殺部隊ならぬ再殺愚連隊のお話。
しかしとんでもない理由で増えたものだ。
- アイドル
売れないロッカーとB級アイドルの壊れた愛の日々。
やるせない。
- イマジン特攻隊
太平洋戦争末期、特攻隊に選ばれた少年兵が訓練中、ロックを発明しちゃう話。
水中に現れる謎の外人とか、妙に笑える。
- 天国のロックバス ロコ! もう一度思うままに
B級アイドルに恋した少年が、彼女にギターを聴かせる話。
ああ、ロックだ。