岳飛伝 二、烽火篇 / 編訳 田中芳樹

岳飛伝〈2〉烽火篇


岳飛の義兄弟に牛皐という武将が居る。こいつが、頭は悪いけど力だけはあるように見せておいて、実は一騎打ちでもちっとも勝てないという、弱い張飛。「今日この辺で勘弁してやる」と云いながら敗走するのがお約束。巻頭の人物紹介を見ると、「強いくせによく負ける」と書いてある。
なにしに出てきてるんだ?と暫く疑問だったんだが、戦の途中、大がめに入った酒を飲み干した勢いで、そのかめを敵武将にぶつけて討ち取った辺りからギャグオーラを纏い始める。
3巻の人物紹介を読むと、「正史と虚構世界を股にかける庶民のヒーロー」と記されており、物凄く腑に落ちてお気に入りキャラに。


ところで敵側の名前がどれも独特で、兀朮(ウジュ)、哈迷蚩(ハミツー)、粘没喝(ネメガ)、果ては斬着摩利之(ザンチャクマリシ)など、なんとなく妖人怪人系。倒すと爆発したり溶けたりする。