魔界行Ⅱ 殺戮編・Ⅲ 淫獄編 / 菊地秀行

魔界行―完全版 (ノン・ノベル)
この新装版の絵の方が遥かに良かったなあ。旧版濃ゆ過ぎ。


いよいよクライマックスだ!というところで、左手に持つ残りページが余りに薄い事に気付く。もしやと思ったら、案の定ぶつりと終わった。
確かこれはひどゆき先生のアダルトデビュー作。同時に投げ終わりデビュー作でもある、と。
最近の作品なら、ああ収拾つかなくなってきたというところでぶっつり終わるから気にならないが、これは古いだけあってしっかりと纏まっており、それなのに今と変わらない締め方なのが違和感。
...いや、褒めてるんだけどね。
ただ、これ以降の作品群と比べると、超人としても妖魔としても、大人しめな能力で少し物足りなく感じたのも確か。
逆に濡れ場は濃くて豊富で胸焼け。官能小説に手を出すのは...って人が対象だったんだろうなあ。足りない記憶力では確信が無いが、年端も行かない子供に犯される人妻ってのは、これ以降無かったと思う。ちゅか極力子供を暴力世界に入れなくなった気が。


さてこれで新魔界行に手が出せる、と思ったらまだ異伝が残ってるや。