明治ドラキュラ伝 1 妖魔、帝都に現る / 菊地秀行

YA! ENTERTAINMENT 明治ドラキュラ伝1


児童書なので、文字がでかくて振り仮名が多くて読み難い。
でもまあ元がジュブナイル物でデビューした人だし、子供向け故の柔らかい文章で、それでいていつも通りのノリな為、充分楽しめた。
しかし子供向けとして読むと、ちょっと表現がエグいんでないかい?と思ったり。ドラキュラ=ホラーとして、怖がらせる事が目的とするなら成功だろうけど。そういや前に「子供向けとか意識して書かない」とあとがきかなにかで云ってたか。


話としてはタイトルそのまんま。
展開としても、ブラム・ストーカーの原作に沿った、基本的流れ。
ところがドラキュラの精神面にスポットを当ててたり、何故かヘルシング役が嘉納治五郎だったり、吸血鬼とは怖い生き物なんだけど、でもこんなに魅力溢れる存在でもあるんだよというのが滲み出る文章なのが、やっぱりいつもの菊地節で素敵。
1巻ではあるけど、これ1冊で独立可能な終わり方。発売からもう1年近く経つけど、さて、続きは出るんだろうか。