「弩」怖い話2 / 加藤一

「弩」怖い話〈2〉Home Sweet Home (竹書房文庫)
前書きで、「買うな」「読むな」「手放せ」と警告がありました。
どうやら読むと呪われるタイプの本みたいです。
読みました。
さようなら。


実際にその言葉で売り上げが落ちそうな雰囲気を醸し出してるけど、読んでる最中はそんなに怖くない。
怖いよりも、厭、不快、腹立つ、因果、と云った内容。
呪とか怨とか云うには、材料の足りない状態。理由も解明的なものも殆ど無く、ただ現象があるのみ。
一応装飾無しの「ガチ」らしいが、読んでるこっちにはそんな事分かる訳も無し。
1と違って無茶な表現が無く、惹き込まれる様にページは進む。


大した事無かったなあと思いながら読了して、暫く経ち、ふと思い返すと、どうにも背中が薄ら寒い。
実はとんでもなく怖かったんじゃないかと思えてきて、ちょっと怯える。何となく、霊障受けた気が。
怪談本としてはかなり精度の高い出来じゃないだろうか。


一つ気になったところ。
家を舞台にした8話の構成で、1話ごとの扉にその家の間取り図がある。
それが明らかに何らかのヒントになってるはずなのに、さっぱり分からない。
多分、共通点があって、それが原因で忌まわしい話になってると思うんだが。