奇妙な訪問者
(「すいませ〜ん」と声が聞こえたので受付まで出向く。すると、ずんぐりむっくりな小汚い男が。多分年下。1週間以上風呂に入ってないだろう臭いと個性的な髪型。そして焦点の合わない目。ちとヤバイかな、と足元に隠してある武器を確認)
「すいません。○○区の中に入るにはどうすればいいんですかァ?」
「はっ? ○○区の中に入るんですか?」(隣の区。漠然とした発言の為、○○区と書いてあるゴミ袋にコイツが入ろうとしている姿を想像する)
「そぉでぇす」
「えーと、こっち方面に向かえば入りますよ」(やっと質問の意味を理解し答える。とりあえず臭い)
「それは強制的に入るんですかぁ?」
「はあ、そりゃそっち向かうんだから嫌でも入ると思いますがねえ」(マジかギャグか判断付かず。関所でもあるんだろうか。臭い)
「それはその中の何町でぇすかあ?」
「○○町だったかな」
「あっひぃ、どうも」
「はい、どうも」(臭い)
(入ってきた扉にどかっとぶつかりながら、しかも中途半端に開けていたその隙間からずるずるとスキマ男の様に去る男。吐きそうになる臭いだけがその場に残る)
あれ、絶対妖怪だったよね。
妖怪道調べ。
訳の分からん聞き方で道を聞き、旅人を惑わす。