幽剣抄 腹切り同心 / 菊地秀行

幽剣抄 腹切り同心


シリーズ3作目。
ユーモア度が増して、ひどゆき先生の面白かった頃の短編集を思い出す作り。
表題にもなっている「腹切り同心」は、切腹したはずなのに何故だか死ねずゾンビ化した同心が、同僚の家に居座り、その家族が迷惑しながらも徐々に慣れていく話。
畳に指で「の」の字を書くという恥ずかしさを表す描写の代わりが、腹に刺さったままの短刀をこねくりまわす、なんて辺り、流石。