D−魔戦抄 / 菊地秀行

D-魔戦抄―吸血鬼ハンター〈15〉 (ソノラマ文庫)


なにこの神憑った作品。
貴族の圧倒的強さと夜を操る恐怖、吸血行為のおぞましさと快楽、辺境で生きる厳しさなど、シリーズのテーマを異常なまでに濃縮して、鬼気迫る文章。
今までもDがピンチになる事はあったが、複数の敵に文字通り食われた挙句、部分的に再生して敵の頭をかち割りながら復活したりと、完全にヒーローを捨てた攻撃に驚愕。
更に神祖登場、秋せつらの妖糸の後継者を出して魔界都市と繋げてみたり、サービスも豊富。


ここまでホラー色が強く面白い吸血鬼ハンターは初めて。