英雄三国志 一 義軍立つ / 柴田錬三郎

英雄三国志 1 義軍立つ (集英社文庫)


まだ読中なんだけど、普通の文庫3冊分ぐらいの厚さの内1冊半程度は読んだし、読むのが辛くなってきたので感想。


これ駄目。
劉備を神格化し過ぎてて気持ち悪い。
例えば黄巾の乱劉備軍の力だけで平定してるし、別に孔明を招く必要無いぐらい頭も良いし武力もある。「中山靖王劉勝の末裔」ってのも自称のはずなのに、云い切ってるしみんな理由無く認めてるし。
更に曹操など他の人物をヘボく表現して、余計に劉備のみが優れてるみたいな錯覚を起こさせる。
そこまで一人だけ突出した力を持っておきながら、どうして天下統一出来なかったのかねえ、と云う状態。
改造コード使って「俺最強」とか云ってるみたいなっ。
蒼天航路のいやらしい劉備が本物だとも思わないが、ここまで有り得ない設定だと、ねぇ。


まあ、その辺は無茶な贔屓として終わらせる事も出来るんだけど、曹操曹仁曹洪が3兄弟だった時点で一気に冷めた。
血縁がかなり重要視されてるこの時代、その嘘使うと物語の展開が変わっちゃうよ。
あと、矢鱈と、句読点が、多過ぎて、読み難いのも、難点。ロボットの、会話の、如く。


演義ベースのフィクションなんだから、どんな設定にしてもいいんだけど、それ以外は普通なのが気に入らない。
ちゅ訳で読むの止め。


追記:
ふむ。
良く分からない妙な苛立ちがあって読むのを止めたんだけど、どうも吉川英治版の劣化コピーな感じなのが駄目だったっぽい。
この人の他の作品も幾つか読んだけど、それは面白く読めたんだがなあ。


今度は北方三国志に手を出してみるか。