金縛り1

眠いので思い出したように1個書きます。
長いので、興味無い人はスクロールバーをぐいっと引っ張って飛ばしてください。



 中学生の頃の話。
 丁度その頃から、悪夢を見る事が多くなった。でもまだ、また変な夢を.....と云う自覚はなかった頃。
 後から知った時間では明け方頃、うっすらと日が射してきたぐらいの時に嫌な夢を見ていた。
 夢の中でも自分の部屋で寝ている。窓の位置や家具の配置が現実とは違うので、途中でこれは夢なんだと気付いた様な気がする。実際はうっすら明るかったのに、夢では明かりは豆電球だけだったし。ただ、たとえ夢だろうと、これはかなわんと云う事がひとつあった。男か女がは判別が付かないが、取り合えず誰かがマウントポジションで圧し掛かって私の頸を絞めているのだ。
 夢だと気付いた後だったから、本当に締められてる訳じゃないからほっとけ、と思ったんだが、それにしても苦しい。頸の骨を折らんばかりの勢いで窒息させられそう、と云う状態ではなく、わずかに呼吸出来るぐらいの強さ。死にはしないけど、苦しくて仕様が無い生殺しな辛さ。時間にするとどれだけだったかは判断出来ないが、延々とそれが続くので我慢できなくなり、そいつを押しのけようとするが、体が動かない。押し退けられない。夢と分かっていても我慢の限界だと悟り、怖い夢を見た時の様に、そこから逃げるかの様に目を覚ました。
 ところがまだ息苦しい。まだ寝ぼけてるのかと思いながら、焦点の合ってなかった目を合わせると、違う。
 全身が赤い、人型をしてるんだけど上半身しかない、もやもやとしたものが頸を絞めていた。うわ! 何!? 怖!! と慌てて払い退けようとするが、夢と同じで体が動かない。力を入れて筋肉が動いてるのは分かるけど、固定されているみたいでどうやっても動かない。もう完全に目は覚めているんだけど、その赤い何かはまだ居る、どころか頸絞めてきてるし、苦しいし。
 その動けない状態で意地でも動こうとして5分ぐらい経っただろうか、結構強い光が部屋に入ってくる様になった頃、ふと頸を押さえられてる感覚がなくなり、理由はないけど、これなら体を動かせる! と云う自信があった。もうここまで来ると怖いと云うより、何か知らんがこの赤いの殴ってやる! と云う気持ちが強かったのでがばっと跳ね起きた途端、少し離れた窓にその赤い何かが吸い込まれる様に後退していった。それまで無かった筈の下半身が紐の様に窓と繋がっていた。
 その時点でもう完全にキレていたので、待てやゴルァ! って勢いで布団から飛び出し捕まえようとしたけど、赤い何かは凄い勢いで遠ざかり、私が窓際に辿り着いた時には、もう大分青くなった空に、赤い一反木綿の如くふわふわと漂いながら消えていった。
 もうその日一日は頭の中が???で御座いました。




怖い話じゃなくて、脳内を心配されそうな話に思えてきた。
まあ自分で体験する怖い話関係なんてそんなもんですけどね。